全国若手町村長会 「町村の未来を創るDX」をテーマにオンライン勉強会を開催
全国若手町村長会では、2025年4月24日に会員の町村長・職員を対象としたオンライン勉強会を開催しました。本会では地域課題解決や活性化に取り組むべく、若手町村長が集い本気でぶつかり研鑽を深めています。
今回は、内閣府クールジャパンプロデューサーの陳内裕樹氏に講演を行っていただきました。講演では、主に自治体運営におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)や連携についてお話いただき、特にDXにおいて重要なのは、D(デジタル)技術そのものよりも、X(トランスフォーメーション=変革)であり、変化を楽しむ文化や挑戦する姿勢であるといったことが伝えられました。
◆講師プロフィール : 陳内 裕樹 氏
内閣府 クールジャパンプロデューサー
総務省 アドバイザー(首長トップセミナー等、広域連携)
東京都立大学/富山県立大学/東北芸術工科大学 客員教授
日本薬科大学 特別招聘教授

講演の要点は以下の通りです。
- X(変革)の重視: デジタルツール導入だけでなく、それによって組織や地域がどう変わるか、変わるプロセスを楽しむことが重要。「虎の心(一歩踏み出す勇気)」を持ち、新しいことに挑戦する雰囲気作りがリーダーの役割だとしました。
- 教育分野での先行: GIGAスクール構想により、教育現場ではデジタル活用が進んでいる一方、先生間のスキル格差や多忙さといった課題も存在します。しかし、校務で生成AIを活用することなど、国レベルでの目標も設定されており、教育はDX推進の試金石となり得ます。
- サーロインの法則(3:6:1): 効果的な施策展開のため、「3で作る:6で伝える:1で測る」という予算配分や意識を推奨。特に「伝える(伝達)」と「測る(検証)」が軽視されがちであり、デジタルを活用した効率的な情報発信と効果測定の重要性が浜松市の事例を交えて説明されました。
- DX推進のステップと体制: DX推進は、①宣言・条例制定、②推進体制(司令塔)構築、③庁内実践、④地域実践(学校、企業連携等)の順で進めることが効果的であると説明されました。特に首長の強いコミットメントと、変革を推進する専門部署や外部アドバイザーの設置が鍵となると述べられました。
- 外部人材の活用: 自身もボランティアで全国の自治体支援を行っている経験から、外部の専門家(よそ者)を研修講師やアドバイザーとして活用することの有効性が説かれました。
また参加者の首長からは、教育現場でのICT活用における先生間のスキル格差や人事異動による継続性の課題について質問もあり、活発な議論が交わされました。
今後も全国若手町村長会では勉強会や合宿等を通じて、地域住民の幸せや持続可能な地域づくりのために、若手町村長同士が共に本音で研鑽し、先の見えない時代の中で世界に開かれた知見やネットワークを活用し、地域の課題解決や活性化に取り組むことを目的に活動を続けていきます。
