全国若手町村長会 持続可能な社会に向けたオンライン勉強会を開催
全国若手町村長会では、2025年2月20日に会員の町村長・職員を対象としたオンライン勉強会を開催しました。本会では地域課題解決や活性化に取り組むべく、若手町村長が集い本気でぶつかり研鑽を深めています。
今回は、国連大学サステイナビリティ高等研究所の竹本氏に講演を行っていただきました。講演では、国連大学の設立背景や活動内容、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組み、そして気候変動問題について詳しく説明されました。国連大学サステナビリティ高等研究所の設立経緯や、世界328の団体が参加する「里山イニシアティブ」などの具体的な活動事例が紹介されました。
◆講師プロフィール : 竹本 明生 氏
国連大学サステイナビリティ高等研究所プログラムヘッド
1992年環境庁(現環境省)入庁。外務省経済協力開発機構(OECD)日本政府代表部一等書記官(在フランス),環境省地球環境局研究調査室長、同地球温暖化対策担当参事官,地球環境ファシリティ上級環境専門官(在米国)等を経て2020年6月から現職。

SDGsの進捗状況についても言及があり、169のターゲットのうち17%が目標達成可能とされる一方で、18%が停滞し、17%が後退しているという厳しい現状が報告されました。
また、フランス・パリにおける持続可能な食料システムの取り組み事例等が紹介されました。2020年にパリ市内で試験的に実施された「気候対策給食」では、有機食材やベジタリアン食の導入で、一食当たりのカーボンフットプリント(温室効果ガス排出量)を30%削減する成果を上げました。パリ市は、2027年までにすべての給食にこの取組みを拡大するとともに、地産地消を推進してフードマイレージ(食料の輸送時の環境負荷)を低減することで、持続可能な学校給食の実現を図っています。
日本の各町村でも、地産地消メニューの導入など、同様の取り組みが進められており、自治体が取り組みやすい地球温暖化対策の一つと考えられます。例えば、環境負荷の低いメニューの開発や調査の設計や食育政策に関して、国連大学サステイナビリティ高等研究所との連携の可能性も期待されます。
講演後の質疑応答では、地方自治体との連携の可能性や具体的な取り組みについて、活発な議論が交わされました。
今後も全国若手町村長会では勉強会や合宿等を通じて、地域住民の幸せや持続可能な地域づくりのために、若手町村長同士が共に本音で研鑽し、先の見えない時代の中で世界に開かれた知見やネットワークを活用し、地域の課題解決や活性化に取り組むことを目的に活動を続けていきます。