全国若手町村長会 「二地域居住等の促進」をテーマにオンライン勉強会を開催
全国若手町村長会では、2025年6月20日に会員の町村長・職員を対象としたオンライン勉強会を開催しました。本会では地域課題解決や活性化に取り組むべく、若手町村長が集い本気でぶつかり研鑽を深めています。
今回は、国土交通省国土政策局長の黒田昌義様に講演を行っていただきました。講演では二地域居住についての概要と現状、そして今後の課題と取り組みを説明いただいたあと、若手町村長との意見交換が行われました。

講演の要点は以下の通りです。
- 二地域居住推進の背景と目的: 二地域居住の推進は、新型コロナウイルス感染症終息後の人の動きやライフスタイルの変化に対応し、個人のウェルビーイングを向上させるための新たなライフスタイルとして検討が始まりました。東京一極集中を緩和し、地方への人の流れを創出することで、空き家対策や地域の人手不足といった地方が抱える課題解決に繋げることも目的としています。
- 「広域的地域活性化法」と制度の骨格: 二地域居住を促進するために制定された法律では、まず都道府県が大まかな計画(広域的地域活性化基盤整備計画)を策定し、その後に市町村が「特定居住促進計画」を作成します。計画では、二地域居住者の「住まい(空き家改修など)」、「成りわい(仕事の場、コワーキングスペース整備など)」、「コミュニティ(廃校活用など)」に関する指定制度が創設される形になります。
- 国による多様な支援措置: 国は、特定居住促進計画を策定した市町村等に対して、多角的な支援を行います。
- 移動コスト問題への対応: 二地域居住に伴う交通費や移動費の負担軽減は、国会質疑でも指摘された重要な課題です。これに対し、国は官民連携で移動費のコストを削減する方策を現在検討しています。
- 官民連携による課題解決と今後の展望: 二地域居住の推進に向けて、現在約1000団体が参加する「官民連携プラットフォーム」が立ち上げられ、具体的な課題(例:交通費負担軽減、ふるさと住民登録制度のあり方、担い手人材の育成)について活発な議論が行われています。また、二地域居住の促進は政府の「地方創生2.0」にも明記されており、今後もモデル事業などを通じて具体的な課題解決と制度の発展が図られる予定です。
参加者の首長からは、交通費や移動費の負担軽減策に関して、議会や住民への丁寧な説明によって理解を得ていくことが重要であるといった意見等もあり、活発な議論が交わされました。
今後も全国若手町村長会では勉強会や合宿等を通じて、地域住民の幸せや持続可能な地域づくりのために、若手町村長同士が共に本音で研鑽し、先の見えない時代の中で世界に開かれた知見やネットワークを活用し、地域の課題解決や活性化に取り組むことを目的に活動を続けていきます。
